いまおん♪(城南海 / サンサーラ)

色んな社会的メッセージと共にアップされることもあるだろうが
『ザ・ノンフィクション』ED曲だったということだけで選んでます。舌癌で夭逝した棋士・天野貴元氏を知るキッカケになった曲。

f:id:aozora-alone:20211126175935p:plain

(理由はないのだが彼の顔は大好きなのである)

 

天野貴元に関して、著書「オール・イン」のなかで手術入院に入る前に
一方的に好きだった女性に一日デートしてくれと頼む場面がある。
舌の痛みに耐えながらのデート。そしてデートには普通にあるだろうランチタイムに
彼女から「何を食べる?」と問われた彼は思うのだ。
「手術で舌を摘出すれば今後好きなものも食べられない。ここは重要な場面だ(いかにも棋士らしい)」。
長考(いかにも棋士らしい)の末「ラーメンにしよう」と結論を出す彼。
重要な局面で長考した末に指した一手がラーメンだったわけだ。
べつにラーメンの有名店とかではない。たまたま見つけたラーメン屋。
そこで彼は最後の晩餐になるかもしれないラーメンを舌の痛みに耐えながら
なんとか完食する。このシーンとてもじわりとくる。
過剰な神様の演出も勿論なく、つまり特別なことも何もなく
淡々と厳粛な時間が過ぎていく。
闘病中の人達やそうでない人達への、ひとつの救いのシーンだと思っている。
そして無神論者の彼は帰りの電車の中で
彼女からもらったお守りを握りしめるのだった。

www.youtube.com

www.youtube.com